1. はじめに:「治る」の本当の意味
腰や足の痛み、しびれ、そして歩いていると辛くなる「間欠跛行(かんけつはこう)」…脊柱管狭窄症と診断され、「この症状は治るのだろうか?」と不安に思っていませんか?
この記事では、症状が「改善しやすい人」と「改善しにくい人」の決定的な違いを、専門的な視点から徹底解説します。
この記事でいう「治る」の定義
必ずしもMRI画像上で神経の通り道が元通りになることではありません。そうではなく、「つらい症状が和らぎ、以前のように歩けるようになったり、日常生活の質(QOL)が向上すること」を指します。
この記事を読めば、ご自身の状態を客観的に理解し、今後の治療や生活改善のヒントを得ることができます。予後を左右する要因は、以下の3つの側面から見ていきましょう。
- 構造的な要因: 神経の通り道の狭さなど
- 身体機能的な要因: 体力や筋力など
- 非構造的な要因: 心理状態や生活習慣など
📝 脊柱管狭窄症 症状改善セルフチェックリスト
ご自身の状態に最も近い項目にチェックを入れてみましょう。
👍【改善しやすい人】(Aリスト)
- A-1. 年齢は60代前半までだ
- A-2. 症状が出始めてから半年以内
- A-3. ウォーキングなどの運動習慣がある
- A-4. 全く歩けないわけではない
- A-5. 安静時はほとんど痛みがない
- A-6. 標準体重を維持している
- A-7. 糖尿病などの大きな持病はない
- A-8. 痛みに対し前向きに考えられる
👎【改善しにくい人】(Bリスト)
- B-1. 年齢は70代後半以上だ
- B-2. 症状がもう何年も続いている
- B-3. 運動習慣がなく筋力に自信がない
- B-4. 短い距離でも休憩が必要になる
- B-5. 安静にしていても痛みやしびれがある
- B-6. 肥満気味である
- B-7. 糖尿病の持病がある
- B-8. 痛みへの不安がとても強い
チェック結果の考え方(目安)
Aリスト5個以上は改善しやすい傾向、Bリスト5個以上は時間がかかる傾向かも。同じくらいなら生活改善で変わる可能性大!
😊 症状が改善しやすい人(「治る人」)の7つの特徴
1. 狭窄の程度が軽度~中等度である
MRIなどの画像検査で、脊柱管の狭窄の程度が比較的軽い、あるいは中程度の場合、症状が急激に悪化することは稀で、保存療法(手術以外の治療)でもある程度の良好な予後が期待できることが多いと報告されています。約30~50%のケースで症状が改善または変化なしであったというデータもあります。
2. 狭窄の原因が軟部組織主体である
狭窄の原因が、骨の変形(骨棘など)よりも、黄色靭帯の肥厚や椎間板の膨隆といった軟部組織が主体である場合、改善の余地が大きい可能性があります。骨そのものの変形に比べれば、保存療法(特に姿勢改善や運動療法)による影響を受けやすい可能性があります。
3. 脊椎の安定性が比較的保たれている
腰椎がグラグラと不安定な状態(例えば、重度のすべり症や側弯症がない)ではない方が、症状は改善しやすい傾向にあります。保存療法が効きやすい予測因子として、変性すべり症や側弯がないことが挙げられています。
4. 神経根型の症状が主体である
馬尾神経全体が圧迫される「馬尾型」より、枝分かれした「神経根」が圧迫される「神経根型」では、自然に症状が改善する傾向があります。神経根型は主に片側の足に症状が出ることが多いタイプです。
5. 身体の基礎体力とセルフケアへの高い意識
体幹や足の筋力、バランス能力が保たれていることは非常に重要です。また、医師や理学療法士の指導のもと、運動療法、姿勢の改善、体重管理といった生活習慣の見直しに積極的に取り組む姿勢は、症状改善に不可欠です。
6. 早期発見・早期治療ができている
一般的に、症状を長期間放置すると神経へのダメージが蓄積し、改善が難しくなる傾向があります。症状に気づいたら、なるべく早く専門医に相談することが大切です。
(※注釈:以前は有症期間が1年以内だと予後が良いという報告もありましたが、最新の診療ガイドラインでは、MRIなど画像上の狭窄の程度がより重要視されています)
7. 心理状態が比較的安定している
意外に思われるかもしれませんが、心理的な状態も予後に大きく影響します。過度な不安や、痛みを恐れて活動を避けてしまうことなどが少ない方が、症状改善しやすいことが分かっています。
😥 症状が改善しにくい人(「治らない人」)の7つの特徴
1. 狭窄が重度・骨性の要因が大きい
画像検査で脊柱管の狭窄が非常に高度である場合、特に骨棘(骨のトゲ)など骨そのものの変形による圧迫が強い場合は、保存療法での改善が難しく、予後不良となる可能性があります。
2. 脊椎の不安定性が強い
腰椎すべり症が進行している、あるいは明らかな不安定性が認められる場合、症状が持続したり悪化したりしやすくなります。術前の不安定性は予後不良因子である可能性が指摘されています。
3. 神経への圧迫・ダメージが深刻である
神経への圧迫が長期間続いたり、程度が強かったりすると、神経自体にダメージが蓄積し、改善が難しくなることがあります。以下のようなサインは要注意です。
- 安静時にも強い痛みやしびれがある
- 明らかな知覚障害や筋力低下、筋萎縮がある
- 排尿・排便の異常(馬尾症状)が出現している
- MRIで特殊な所見(Redundant Nerve Roots)が見られる
4. 体力・筋力・バランス能力の低下が著しい
加齢や症状による活動制限によって、全身の体力、特に体幹や足腰の筋力が著しく低下している場合(サルコペニアやフレイル)、リハビリの効果が出にくく、症状改善の妨げとなります。
5. 併存疾患(持病)がある
脊柱管狭窄症以外の持病も、予後に影響を与えることがあります。特に注意が必要なのは以下の疾患です。
- 糖尿病: 神経障害や血流障害を悪化させる可能性。
- 肥満: 腰への負担増、全身の炎症を助長。
- 骨粗鬆症: 脊椎の変形が進みやすくなる。
- 心血管疾患など: 全身の血流に影響。
6. 罹病期間が長い・治療への反応性が低い
症状が出現してから治療を開始するまでの期間が非常に長い場合、神経へのダメージが蓄積し、改善が難しくなることがあります。また、薬物療法、ブロック注射、リハビリなどの保存療法を十分に行っても効果が見られない場合も、改善が難しいケースと言えます。
7. 心理的要因が強く影響している
抑うつ状態、強い不安感、痛みを恐れて動かなくなる恐怖回避思考などが強いと、痛みを実際よりも強く感じたり、リハビリなどの活動を避けたりしてしまい、症状改善を妨げる悪循環に陥りやすくなります。
これらの改善しにくい要因は、しばしば複数重なり合って存在します。例えば、重度の狭窄による強い痛み → 活動低下 → 筋力低下や肥満、抑うつ気分 → さらに痛みを増強、といった悪循環を生み出すことがあります。
こうした背景の中、新しいアプローチとして、世界特許を取得した独自の器具を用いた保存療法が登場したので、選択肢の一つとして紹介します。
【希望】「治りにくい」人への新たな選択肢(当院の取り組み)
ここまでは従来のアプローチ、研究をもとに「治る人」「治りにくい人」の特徴を挙げてきました。「治りにくい」特徴がある人も、安心ください。
「治りにくい」の特徴に当てはまる脊柱管狭窄症の患者様であっても、世界特許を取得した新たな保存療法『脳内矯正®カチッとはまる®』によって症状が改善し、喜ばれてる症例が多数あります。
ここでは、モニター掲載許可を頂いてる方の一部を紹介します。
脊柱管狭窄症で「手術しないと治らない」と医師に宣告された男性
ご来院時、背骨の真ん中がすり減ってしまい、神経を圧迫する箇所が3か所程あり、歩行器がないと歩けない状態でした。
それから週数回のペースで特許器具を使ったセルフケアを行ってもらい、約7か月後、アフターのように歩行器なしで歩けるようになりました。痛みやしびれも改善し、「よくここまで治ったものだ、これ以上ならない」と喜んでくださっています。
80代で杖が不要になった女性
背骨の手術を3回経験後、4回目を推奨された男性
21歳の時に1回目(椎間板ヘルニア)
33歳で2回目(椎間板ヘルニア)
69歳で3回目(脊柱管狭窄症)の手術をご経験されたとのこと。
現在75歳で、「また手術を勧められてるがもう嫌」とご来院されたときのインタビュー動画です。
※脊柱管狭窄症だけではなく、ヘルニアやぎっくり腰をはじめ、首や股関節、膝、頭痛、生理痛の改善や、血圧、腎臓の数値改善、睡眠の質、顔の歪みなど、幅広い改善事例があります。
※これらは個人の感想であり、効果を保証するものではありません
今回紹介した、改善事例は、「体に余計な負担をかけない姿勢を自然と保てるようになる」特許器具を使ったセルフケアを患者様に行ってもらったものです。一度もご来院されてないまま、オンライン上で指導し、手術回避できた事例もあります。
ご興味があれば、診察を受けてみてください。
まとめ| 未来を変えるために今できること
今回は、脊柱管狭窄症の症状が「改善しやすい人」と「改善しにくい人」の違いについて、様々な角度から解説しました。
この記事のポイントを振り返ってみましょう。
- 症状の改善は、多角的な要因で決まる
MRIで分かる神経の圧迫度合い(構造的な要因)だけでなく、あなたの体力や筋力、糖尿病などの持病の有無、そして痛みに対する前向きな気持ち(非構造的な要因)まで、多くの要素が複雑に絡み合って、今後の経過に影響します。 - セルフチェックは、自分を知る「きっかけ」
ご紹介したセルフチェックリストは、ご自身の状態を客観的に見るためのあくまで目安です。大切なのは、チェックの数に一喜一憂することではなく、「自分にはこういう傾向があるのかも」と気づき、次の行動に移すことです。 - 今日からできることは、必ずある
たとえ改善しにくい要因があったとしても、落ち込む必要はありません。適度な運動を始めたり、バランスの良い食事を心がけたり、痛みへの不安を専門家と共有したりと、あなた自身で未来を良い方向に変えるためにできることはたくさんあります。
何よりも重要なのは、一人で悩まず、諦めずに専門医に相談することです。 脊柱管狭窄症の治療経験が豊富な医師は、あなたの体の状態だけでなく、生活背景や気持ちまで含めて、最適な治療法を一緒に考えてくれるはずです。
この記事が、あなたがご自身の体と向き合い、希望を持って次の一歩を踏み出すきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
執筆者情報・参考文献
中村弘志プロフィール

中村接骨院 中村薬 漢方堂の代表。子供のころから武道と気功、整体を習得。
妹が脊髄損傷し、「一生、車イスだ」と宣言されたことから、「医者が治せないなら、兄の私が治す」と、それまで勤めていた会社を辞め、気功や整体の知識・技術を生かし、妹の治療に専念。
その試行錯誤のなかで独自の治療法を生み出し、妹の症状が歩けるまで改善。(現在、2男2女の母となっている)これを機に柔道整復師の国家資格を取得し、接骨院を開業。
オリジナルの体操指導やツボ治療などにより、「姿勢が良くなった」「からだの痛みがなくなった」「肌がきれいになった」など、その効果が評判となっている。
治療理論で特許意匠などを20以上取得し、テレビや雑誌などのメディアでも活躍。一般社団法人 国際特許医学協会 代表理事ミスユニバース、ミスアースジャパンといったミスコンでの認定講師も歴任。
中村接骨院 中村薬 漢方堂
東京都荒川区西日暮里2-51-1オーベルアーバンツ日暮里1F
電話番号: 03-5811-6337 (平日9:00-19:00)
予約方法:電話/WEB予約/LINEからの予約(オンライン診察も対応可能です)
関連情報
◆脳内矯正®についてのプレスリリース
https://prtimes.jp/story/detail/bDzpD3uv5Px
◆脊柱管狭窄症の改善例コラム
https://mbp-japan.com/tokyo/kaokarada/column/5173454
https://mbp-japan.com/tokyo/kaokarada/column/5169962
◆近著『悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい』の開発ストーリー
https://prtimes.jp/story/detail/Bq4e3quL2Zb
◆中村弘志のInstagram(ぜひフォローください!)
https://instagram.com/beauty.healthy.kaokarada?r=nametag
◆中村弘志のLINE講座
https://lin.ee/23CZMx0Mc
参考文献
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7101166
腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(改訂第2版) 監修:日本整形外科学会/日本脊椎脊髄病学会, 南江堂, 2021
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?page=3&id=5666
https://www.igaku-shoin.co.jp/paperplus/archive/y2024/hsr_02
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5532926
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2010/0/2010_0_AcOF1002/_article/-char/ja