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もう痛みで悩みたくない… 脊柱管狭窄症の本当の解決策を探しているあなたへ

脊柱管狭窄症 坐骨神経痛

「歩くと足が痛む、しびれる…」「少し歩くと休憩しないと辛い」「腰をかがめると楽になるけど、まっすぐ立つのが怖い」 脊柱管狭窄症による辛い症状に、毎日悩まされていませんか?

マッサージや整体に通っても、その場しのぎで根本的には良くならない。痛み止めを飲んでも、気休めにしかならない。だんだん悪化していく症状に、「このまま歩けなくなったらどうしよう」「もう手術しかないのだろうか…」と、不安や焦りを感じているかもしれません。

健康は何にも代えがたい大切な資産です。その健康が脅かされていると感じるのは、本当につらいことですよね。

でも、諦めるのはまだ早いかもしれません。

この記事では、一般的な治療では見過ごされがちな脊柱管狭窄症の「本当の原因」、特に長年の姿勢椎間板への負担の関係を、医学的な根拠に基づいて深く掘り下げていきます。そして、なぜマッサージや整体だけでは根本的な治し方とは言えないのか、その理由を明らかにします。

さらに、手術を選ばなくても症状が改善した方の事例や、ご自身でできる効果的なセルフケア、そして当院独自の「脳内矯正®」という脊柱管狭窄症の治し方のアプローチをご紹介します。

この記事を最後まで読めば、あなたは脊柱管狭窄症の根本原因を理解し、ご自身の症状改善のために今日から実践できる具体的なステップを知ることができます。もう痛みに悩まされる日々から抜け出し、再び安心して歩ける未来を目指しましょう。

脊柱管狭窄症とは?症状と一般的な原因

そもそも脊柱管狭窄症って何?神経の通り道が狭くなる病態

まず、基本から確認しましょう。背骨(脊柱)の中には、「脊柱管」というトンネルのような空間があります。この中には、脳から続く大切な神経の束(脊髄)や、そこから枝分かれする神経(神経根)が通っています。

脊柱管狭窄症とは、何らかの原因でこの脊柱管が狭くなり、中の神経が圧迫されてしまう病気です。特に腰の部分(腰椎)で起こるものを「腰部脊柱管狭窄症」と呼びます。神経が圧迫されることで、様々な辛い症状が引き起こされるのです。

脊柱管狭窄症と正常な脊柱管の比較イラスト

主な症状:足腰の痛み、しびれ、そして特徴的な「間欠性跛行」とは? 

脊柱管狭窄症の代表的な症状には、以下のようなものがあります。

  • 腰やお尻、太もも、ふくらはぎ、すねにかけての痛み、しびれ、重だるさ
  • 立っていたり、歩いたりすると症状が悪化し、座ったり前かがみになったりすると楽になる(間欠性跛行)  
  • 背筋を伸ばして立つのが辛い
  • 足の感覚が鈍くなる、力が入りにくくなる
  • 排尿・排便障害(重症の場合)

特に特徴的なのが「間欠性跛行」です。これは、歩き始めは問題なくても、しばらく歩くと足の痛みやしびれが強くなり、歩き続けるのが困難になる症状です。しかし、少しの間、腰をかがめて休んだり、椅子に座ったりすると症状が和らぎ、また歩けるようになります 。  

脊柱管狭窄症の間欠性跛行の説明イラスト

なぜ前かがみや座る姿勢で楽になるのでしょうか? それは、腰を前に曲げることで、狭くなっている脊柱管が一時的に少し広がり、神経への圧迫が軽減されるためです 。  

※似た症状で「血管性間欠性跛行」がありますが、これは足の血管の問題で起こります。血管性の場合は、立ち止まるだけで症状が改善することが多いのに対し、脊柱管狭窄症の場合は姿勢を変えないと改善しにくいという違いがあります 。

間欠性跛行を改善する歩き方については、コチラのブログにて解説しているので、合わせてご覧ください。

主な原因:加齢だけではない狭窄のメカニズム

脊柱管狭窄症を引き起こす一番の原因は加齢による変化です。年を重ねると、

  • 背骨と背骨の間にあるクッション(椎間板)がすり減ったり、変形したりする
  • 背骨自体が変形して、トゲのようなもの(骨棘:こつきょく)ができる
  • 骨と骨をつなぐスジ(靭帯)が分厚くなる

といった変化が起こりやすくなります。これらの変化によって、脊柱管が物理的に狭くなってしまうのです。 他にも、生まれつき脊柱管が狭い方や、背骨がずれる「すべり症」などの病気が原因となることもあります。

脊柱管狭窄症 骨棘 靭帯 椎間板のイラスト

しかし、「年を取ったら誰でもなる」というわけではありません。同じ年齢でも、症状が出る人と出ない人がいます。実は、加齢による変化の進み具合には、長年の生活習慣、特に「姿勢」が大きく関わっている可能性があるのです。生まれつき脊柱管が狭い方もいますが、多くの場合、後天的な要因が影響しています 。

狭窄症の根本原因に迫る!姿勢の悪さが招く「椎間板の悲鳴」

脊柱管狭窄症の根本的な原因を探る上で、非常に重要な役割を果たすのが「椎間板」と「姿勢」の関係です。

椎間板:背骨の縁の下の力持ち(そして最初の犠牲者)

椎間板は、背骨の骨(椎体)と骨の間にある、軟骨組織です。ゼリー状の髄核(ずいかく)を中心部に、それを丈夫な線維輪(せんいりん)が取り囲む構造をしています(あんパンをイメージすると良いかもしれません)。

椎間板イラスト(横から)

椎間板の主な役割は以下の通りです。

  • 衝撃吸収:歩いたりジャンプしたりする際の衝撃を和らげるクッション
  • 柔軟性:背骨がスムーズに動くための可動性を提供
  • 椎体間のスペース維持:神経が通るスペース(椎間孔)を確保

この椎間板が健康な状態(十分な水分と弾力性を保っている状態)を維持することが、背骨全体の健康、ひいては神経の健康にとって非常に重要です。しかし、この重要な椎間板は、日々の負担によってダメージを受けやすい「最初の犠牲者」にもなり得るのです。

背骨の断面図イラスト

【医学的根拠】悪い姿勢が椎間板を痛めつける証拠

では、具体的に姿勢が椎間板にどのような影響を与えるのでしょうか? 近年、多くの研究でその関係性が科学的に証明されてきています。私たちが座ったり立ったりする姿勢は、椎間板にかかる圧力(椎間板内圧)に直接影響します。特に、長時間にわたる悪い姿勢は、椎間板にとって非常に大きな負担となります。

  • 悪い座位姿勢の影響: 複数の研究をまとめた信頼性の高い分析(系統的レビュー)によると、長時間じっと座っていること、特に背中が丸まったような悪い座位姿勢は、腰の椎間板にかかる圧力を高め、椎間板から水分が失われ、結果として椎間板の高さが減少する(=弾力性が低下する)ことが報告されています (Biomechanical repercussion… PubMed, 2024)。つまり、デスクワークなどで猫背のまま長時間座っていると、椎間板はどんどん水分を失い、ペシャンコになってしまうのです。
  • 姿勢による圧力の変化: コンピューターシミュレーションを用いた研究では、前かがみの「猫背」姿勢は、まっすぐ立っている時と比べて、腰の椎間板(特に中心部の髄核と周りの線維輪)への圧力を大幅に増加させることが示されています (Biomechanical Effects… PMC)。一方、背筋が自然に伸びた正しい立位姿勢と、腰の自然なカーブ(前弯)を保った良い座位姿勢では、椎間板内圧に大きな差はありませんでした。しかし、腰が丸まった「崩れた座り姿勢」では、腰のすべての椎間板へのストレスが著しく上昇したのです。
座り方によって変わる椎間板への負担
  • 長時間の座位と回復阻害: MRIを用いた研究では、4時間連続して座っていると、特に腰椎の下部(L4/5)の椎間板の高さが有意に減少することが観察されました。しかし、15分ごとに姿勢を変えながら座った場合は、椎間板の高さの低下が抑えられたのです (Lumbar Disc Changes… PMC)。これは、長時間同じ悪い姿勢でいることが、椎間板が水分を再吸収して弾力を回復するのを妨げ、こまめに姿勢を変えることが椎間板への負担軽減に有効であることを示しています。

これらの研究結果が示す、脊柱管狭窄症の治し方を考える上で非常に重要なポイントは、 「悪い姿勢の継続は、椎間板の水分を奪い、弾力性を低下させ、確実にダメージを与え続ける」 ということです。

逆に言えば、良い姿勢を意識し、維持することで、椎間板への負担を最小限に抑えることができるのです (Sitting versus standing… PubMed; Biomechanical Effects… PMC)。

これは、「たまに姿勢が悪かった」という一時的な話ではありません。何週間、何ヶ月、何年もの間、悪い姿勢が続くことで、椎間板には確実にダメージが蓄積されていきます。もしかしたら、あなたの今の辛い症状も、ずっと以前からの無意識の姿勢の習慣が大きな影響を与えているのかもしれません。だからこそ、姿勢の改善は、単なる対症療法ではなく、将来の背骨の健康を守るための、最も根本的で長期的な投資となるのです。

身体の歪み(骨格・姿勢)が神経機能に与える影響

悪い姿勢は椎間板を痛めつけるだけではありません。背骨全体の歪みや不安定さは、神経機能にも直接的・間接的に影響を与えます。

  • 神経の通り道の狭窄: 背骨が歪むと、神経の通り道である脊柱管や、神経が枝分かれして出てくる穴(椎間孔)の形状が変化し、物理的に狭くなることがあります。これにより、神経が直接圧迫されたり、引っ張られたり、こすれたりして、痛みやしびれを感じやすくなります。

  • 神経への血行不良: 悪い姿勢は、背骨周りの筋肉を異常に緊張させることがあります。ガチガチに硬くなった筋肉は、その近くを通る血管を圧迫し、神経への血流を悪化させます。神経細胞も生きていくためには酸素や栄養が必要ですから、血行不良は神経機能の低下(=痛みやしびれ、感覚鈍麻)を引き起こす一因となります。
座位 良い姿勢と悪い姿勢の比較イラスト
  • 「反り腰」姿勢の危険性: 特に、脊柱管狭窄症の方が良かれと思って背筋をピンと伸ばしすぎる(腰を反らせる)姿勢は注意が必要です。この姿勢は、一時的に見た目は良くても、腰椎部分の脊柱管をさらに狭めてしまい、神経や血管への圧迫を強めてしまう可能性があります。座っている時や寝ている時よりも、立って歩いている時の方が症状が出やすいのは、このためでもあります。

  • 個々の背骨のズレの影響: さらに、私たちの背骨は24個の骨(椎骨)が積み重なってできています。全体的な姿勢だけでなく、一つ一つの椎骨の位置が微妙にズレている(=骨格の歪み)だけでも、特定の椎間板や関節、靭帯に過剰な負担がかかり、筋肉のアンバランスを引き起こし、結果的に神経や血管への圧迫を強めてしまうことがあるのです。
背骨一つ一つがズレてるイラスト

このように、身体の歪みや悪い姿勢は、様々なメカニズムを通じて神経機能を脅かし、脊柱管狭窄症の症状を引き起こしたり、悪化させたりする要因となり得ます。

椎間板の劣化が引き起こすドミノ倒し:狭窄症完成への道

姿勢の問題などによって椎間板が弱り、弾力や高さを失う(=椎間板変性)と、それをきっかけに、まるでドミノ倒しのように背骨全体に連鎖的な変化が起こり始めます。これは整形外科の分野では広く認識されている、脊柱管狭窄症が進行する典型的なメカニズムです。

  1. 椎間板の高さ減少: 弱った椎間板は水分を失い、潰れて高さが低くなります 。
  2. 椎体間の距離減少と不安定化: 椎間板が低くなると、上下の骨(椎体)同士の間隔が狭まります。これにより、背骨の安定性が低下し、グラグラと異常な力がかかりやすくなります。
  3. 骨棘(こつきょく)の形成: 不安定になった部分を補強しようとして、椎体の縁に骨のとげ(骨棘)が形成され始めます。しかし、これが結果的に骨を余計に出っ張らせる形になります。
  4. 椎間関節の変形: 背骨の後方にある左右一対の小さな関節(椎間関節)にも、椎間板の高さ減少によって過剰な負担がかかります。これにより、椎間関節がすり減って変形したり、分厚く肥厚したりします。
  5. 靭帯の肥厚: 脊柱管の周りにある靭帯(特に黄色靭帯)も、長年の負担や不安定性により分厚くなることがあります。
  6. 椎間板の膨隆・ヘルニア: さらに弱くなった椎間板自体も、後方に膨らんだり(膨隆)、線維輪が破れて中の髄核が飛び出したり(椎間板ヘルニア)しやすくなります 。
椎間板の劣化が引き起こすドミノ倒し:狭窄症完成への道の説明図解

そして、最終段階へ…

これら①~⑥の変化、つまり「潰れて膨らんだ椎間板」「骨棘」「肥厚した椎間関節」「分厚くなった靭帯」などが、すべて脊柱管や神経の出口(椎間孔)に向かって内側にせり出してきます。

その結果、神経の通り道である脊柱管が物理的に狭くなり、神経が圧迫される状態、すなわち「脊柱管狭窄症」が完成するのです。

さらに、椎間板の変性によって腰椎が不安定になり、椎骨が前後にずれてしまう「変性すべり症」が起こることもあり、これも脊柱管を狭める一因となります。

つまり、多くの脊柱管狭窄症は、「椎間板の変性(弱化)」を起点とする、背骨全体のドミノ倒しのような変性変化の最終段階として現れるのです。そして、その最初の引き金となる椎間板の変性には、長年の「姿勢の問題」が大きく関わっている可能性がある、ということがお分かりいただけたでしょうか。

脊柱管狭窄症 ヘルニア すべり症のイラスト

なぜマッサージや整体だけでは足りないのか?

ここで、なぜ一般的なマッサージや整体、あるいは痛み止めだけでは、脊柱管狭窄症の根本的な改善が難しいのか、その理由が見えてきます。

これらの施術や薬は、

  • 硬くなった筋肉を一時的にほぐす
  • 関節の動きを少し良くする
  • 痛みの信号を一時的にブロックする

といった効果は期待できます。それによって、一時的に症状が和らぐことは確かにあるでしょう。

しかし、思い出してください。脊柱管狭窄症の根本には、 「椎間板の変性」→「骨棘の形成」→「靭帯や関節の肥厚」→「物理的な脊柱管の狭窄」 という、構造的な問題があります。

マッサージや一般的な整体で、変形してしまった骨や、分厚くなった靭帯、潰れてしまった椎間板そのものを元に戻すことはできません。 痛み止めも、原因を取り除くわけではありません。

そのため、施術直後や薬が効いている間は楽になっても、日常生活で背骨に負担がかかる姿勢や動きを続ければ、狭窄した部分で再び神経が圧迫され、すぐに症状がぶり返してしまうことが多いのです。

マッサージや整体だけでは不十分な理由

根本原因である「脊柱管の狭窄」と、その背景にある「椎間板の変性」、さらにその大元の要因となりうる「長年の姿勢の問題」にアプローチしなければ、本当の意味での改善、つまり根本的な治し方とは言えないのです。

手術を考える前に!自分でできる脊柱管狭窄症のセルフケア・治し方

「じゃあ、やっぱり手術しかないの?」と思われるかもしれませんが、まだ諦めないでください。手術は最終手段の一つですが、その前にできること、やるべきことはたくさんあります。特に、日々のセルフケアは、症状の改善と進行予防において非常に重要です。

改善の土台:なぜ姿勢改善が脊柱管狭窄症の治し方に不可欠なのか?

脊柱管狭窄症の背景にあるのは、基本的に「変性」、つまり体の組織の老化や摩耗です。これはある程度、自然な経過でも進行しますが、悪い姿勢や不適切な体の使い方など、背骨に過剰な負担をかける要因が加わると、その変性の進行スピードは確実に加速します。

これまでの説明で、悪い姿勢がいかに椎間板にダメージを与え、それが脊柱管狭窄症へと繋がる負の連鎖の引き金になるか、ご理解いただけたと思います。症状を放置するということは、この変性プロセスを野放しにすることであり、将来的にさらに深刻な症状や機能障害(歩行困難、排泄障害など)に直面するリスクを高めることになります。

したがって、脊柱管狭窄症の進行を食い止め、症状を改善させるための治し方の第一歩は、まず「姿勢を改善し、背骨(特に椎間板)にかかる日常的な負担を減らすこと」です。これが、あらゆる治療効果を高めるための、何よりも重要な土台となります。

いくら良い治療やリハビリを受けても、日々の姿勢が悪ければ、まるで穴の空いたバケツに水を注ぐように、背骨にダメージを与え続けることになり、根本的な改善は望めません。

背骨のS字カーブのタイプ説明イラスト
書籍『悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい』より抜粋

【医学的根拠】姿勢改善は本当に腰痛や狭窄症症状を和らげるのか?

では、「姿勢を良くしましょう」と言われても、実際にそれで辛い症状は改善するのでしょうか? この点に関する研究結果は、少し注意深く解釈する必要がありますが、重要なヒントを与えてくれます。

  • 「知識」だけでは効果は限定的?: 腰痛改善のために「バック・スクール」と呼ばれる、正しい姿勢の知識や簡単な体操などを教える集団教育プログラムがあります。では、その効果はどうなのでしょうか?信頼性の高い研究で、慢性腰痛に対する効果が検証されました。その結果、バック・スクールは、何もしない場合やプラセボと比較すると、短期間では痛みや機能の改善にある程度の効果が見られる(中程度のエビデンス)ものの、運動療法や他の積極的な治療法(※)と比較した場合、バック・スクールが特別に優れているという証拠(エビデンス)は見つかりませんでした (Back School… Cochrane)。

※比較対象となった治療法には、運動療法、マニピュレーション(整体のような手技)、筋膜療法、一般的なアドバイス、プラセボ、待機リストなどが含まれます。

このことは、単に「正しい姿勢とは何か」を頭で理解するだけでは、腰痛の根本的な改善には限界があり、実際に体を動かして姿勢を支える筋力や柔軟性を養う「運動療法」の方が重要である可能性を示唆しています。

  • 「動く」姿勢改善(運動療法)は有効!: 一方で、姿勢や体幹の安定性に着目した「運動療法」については、有効性を示す多くの研究が存在します。ピラティス、マッケンジー法、体幹安定化訓練など、様々なアプローチがありますが、これらの運動療法が、腰痛の軽減、日常生活動作(ADL)の改善、生活の質(QOL)の向上に有意な効果を示すことが確認されています (Chronic low back pain… PMC)。これらの運動は、単に姿勢を意識するだけでなく、良い姿勢を支えるための筋力、柔軟性、バランス能力を実際に向上させることを目的としています。
  • 最新の運動療法の効果: 近年では、より専門的なアプローチ(例:DNSという神経と筋肉の連携を良くし、体の安定性や正しい動きを取り戻そうとするリハビリ・トレーニングの一種)により、体幹の深層筋(インナーマッスル)の機能と立位バランスを改善することで、従来の体幹トレーニングよりも高い疼痛・機能改善効果が得られる可能性も報告されています (Effects of dynamic neuromuscular stabilization… BMC Musculoskeletal Disorders)。
  • ガイドラインも推奨: 国際的な腰痛ガイドラインでも、運動療法(姿勢・体幹安定性訓練を含む)は、薬物療法や手術の前に試すべき第一選択として推奨されています (Effects of balance and hamstring training…)。

これらの医学的根拠(エビデンス)が示すのは、「姿勢について話を聞くだけ」では不十分かもしれないが、「実際に姿勢を改善し、それを維持するための積極的な運動や体の使い方を習得すること」は、脊柱管狭窄症を含む腰痛管理において非常に有効な治し方であるということです。

つまり、良い姿勢を知るだけでなく、その姿勢を無意識に、楽に維持できる「体」を作ることが重要なのです。これは、単なる知識の習得ではなく、筋肉と神経の連動性を強化したり、柔軟性の向上といった、身体的な変化を伴う能動的なプロセスであり、専門家の指導のもとで行うことがより効果的と言えるでしょう。

【重要】脊柱管狭窄症セルフケア:やるべきこと・やってはいけないこと

脊柱管狭窄症の方が安全かつ効果的にセルフケアを行い、症状改善を目指すための重要な指針を一覧表にまとめました。特に「やってはいけないこと」を理解し、避けることが、症状悪化を防ぐ上で非常に重要です。

脊柱管狭窄症の方が安全かつ効果的にセルフケアを行うための重要な指針を表にまとめました。特に「やってはいけないこと」を理解し、避けることが症状悪化を防ぐ上で非常に重要です。

カテゴリやるべきこと やってはいけないこと
姿勢(座る)深く腰掛け背もたれ利用 , 足裏接地 , 定期的な休憩 , 適切な椅子選び長時間同じ姿勢 , 柔らかすぎる椅子 , 浅く腰掛ける
姿勢(立つ)背筋を軽く伸ばす , お腹に軽く力を入れる 腰を反らせる , 胸を張りすぎる , 長時間同じ姿勢
姿勢(寝る)横向きで膝に枕 , 仰向けで膝下に枕 , 硬めのマットレスうつ伏せ寝 , 腰が反る姿勢
動作(曲げる)膝・股関節から曲げる腰だけを曲げる , 中腰姿勢の維持
動作(持ち上げ)膝を曲げ腰を落とす , 荷物を体に近づける重い物を無理に持ち上げる , 腰を曲げて持ち上げる
動作(ひねる)体全体で向きを変える腰だけを急にひねる
ストレッチ膝抱え , お尻伸ばし , 太もも裏伸ばし , 股関節前伸ばし(注意して)腰を反らせるストレッチ全般 , 痛みを我慢する , 急なひねり
筋トレドローイン, デッドバグ腰を反らせる筋トレ , 痛みを伴う腹筋運動
有酸素運動ウォーキング(間欠) , 自転車 , 水中運動痛みを我慢して歩き続ける , 背筋を伸ばしすぎるウォーキング
日常習慣こまめな休憩 , クッション性のある靴 , 適切な体重管理長時間同じ姿勢 , 急な動作 

これらのセルフケアは、単に「安静にする」といった受動的なものではなく、正しい知識に基づいた積極的な自己管理が求められます。脊柱管狭窄症のメカニズムを理解し、「どの動きが良くて、どの動きが悪いのか」を知ることが、改善への第一歩であり、自分でできる重要な「治し方」なのです。

ドローインとデッドバグのイラスト

やってはいけないケアについて、さらに詳しい解説こちらのブログ記事をご覧ください。

中村接骨院の「脳内矯正®」:脊柱管狭窄症の根本原因にアプローチする独自の治し方

セルフケアの重要性をお伝えしてきましたが、「自分だけでは正しい姿勢が分からない」「運動をしようとしても痛みが出る」という方もいらっしゃるでしょう。また、セルフケアだけでは改善が難しい、より根本的なアプローチが必要な場合もあります。

当院では、一般的な治療やセルフケアでは改善が難しい脊柱管狭窄症に対して、「脳内矯正®」「短回旋筋矯正®」という独自の視点とアプローチで根本原因に働きかけます。

当院でのアプローチ:どのように「本当の原因」に働きかけるか

私たちが目指すのは、単に一時的な痛みの緩和ではありません。背骨一つ一つのアライメント(位置関係)を整え、それを維持できる「正しい体の使い方」を脳に再学習させることで、背骨の周りの筋肉、靭帯、そして負担がかかり続けてきた椎間板への余計な負荷を根本から取り除くことです。これにより、狭窄部位への圧迫を軽減し、症状の改善と再発予防を目指します。

そのために、脳内矯正®「カチッとハマる®」では特に以下の2点に注目します。

  • 背骨の最深層筋(インナーマッスルと呼ばれる筋肉群よりさらに奥)、特に「短回旋筋」の活性化: 短回旋筋は、背骨の一つ一つを繋ぐ非常に小さな筋肉ですが、背骨の安定性と正しい動きを制御する上で重要な役割を担っています。しかし、体の最深部にあるため、一般的なインナーマッスルトレーニングでは、アプローチが難しく、この筋肉がうまく働いていない(サボっている)方が非常に多いのです。短回旋筋矯正®では、特許器具によって、背骨一つ一つを整えるように、短回旋筋を鍛え、背骨本来の安定性を取り戻すことを目指します。これにより、グラグラしていた背骨が安定し、椎間板や関節への負担が軽減されます。
短回旋筋とインナーマッスルの位置関係(背骨の背面から見たイラスト)
  • 「脳の誤認」をリセットし、正しい姿勢・動きを再学習: 長年、悪い姿勢が続いていると、脳はそれを「普通の状態」と誤って認識してしまいます。そのため、意識して良い姿勢をとろうとしても、すぐに元の悪い姿勢に戻ってしまったり、違和感を覚えたりするのです。これが「脳の誤認」です。脳内矯正®では、特許器具を使うことで、視覚情報と体の感覚情報を統合し、脳に正しい姿勢や動きのパターンを再インプットしていきます。これにより、意識しなくても自然と良い姿勢が保てるようになり、日常動作での背骨への負担が劇的に減少します。

この2つのアプローチにより、「骨格(背骨のアライメント)」と「脳(姿勢・運動の制御システム)」の両面から根本原因に働きかけ、脊柱管狭窄症の改善を目指すのが、当院独自の治し方です。

施術の流れと期待できる効果

当院の施術は、以下のような流れで進みます。

  1. 詳細なカウンセリングと検査: まず、あなたの症状、生活習慣、お悩みを詳しくお伺いします。そして、姿勢分析、歩行分析、関節の可動域チェック、視力テストなどを行い、あなたの体の使い方の癖、骨格の歪み、そして「脳の誤認」のパターンを丁寧に把握します。
  1. 特許取得の専用器具を用いた施術: 検査結果に基づき、短回旋筋矯正®、脳内矯正®の施術を同時に行います。中心となるのは、特許を取得した専用の器具を用いたアプローチです。仰向けになって膝を左右にゆっくり10分程度倒すだけ、のシンプルで簡単な動きです。基本的に痛みは伴いません。特許器具を使うことで、普段鍛えられない短回旋筋を目覚めさせ、脳への正しい感覚入力を促します。
  1. 施術後の変化の確認とアドバイス: 施術後、再び姿勢や歩行をチェックします。多くの方が、1回の施術でも「体が軽くなった」「歩きやすくなった」「自然と背筋が伸びる感じがする」といった変化を実感されます。施術効果を高め、維持するための自宅でのセルフケアもアドバイス、ご提案します。
脳内矯正®短回旋筋矯正®特許器具

期待できる効果と注意点:

  • 期待できる効果: 痛みやしびれの軽減、歩行距離の延長、姿勢の改善、再発予防などが期待できます。
  • 効果の現れ方: 効果の現れ方や改善に必要な期間には個人差があります。症状の程度、罹患期間、年齢、生活習慣などによって異なります。1回の施術で劇的に変化を感じる方もいれば、数回の施術で徐々に効果が現れる方もいます。
  • 継続の重要性: 長年の体の癖や脳の誤認を修正するには、ある程度の期間、継続して施術を受けることが重要です。正しい体の使い方を脳と体に定着させることが、根本改善への鍵となります。

焦らず、諦めず、一緒に改善を目指していきましょう。

患者様の声:手術を回避し、再び歩けるように!

・70代男性 手術宣告後、歩行器を使わずに歩けるように

こちらのモニター様は脊柱管狭窄症で、背骨の真ん中がすり減ってしまい、神経を圧迫する箇所が3か所程あり、「手術を勧められているけど回避したい」とご来院されました。動画でもわかるように、ご来院時は痛みとしびれで自力歩行が困難な状態で、歩行器がなければ、体が前に倒れてしまうので、両膝に両手を付けて体を支えてなんとか歩ける状態でした。

それから当院独自の特許器具を使ってセルフケアを続けてもらい、約半年後、体の柔軟性が上がり、アフターのように歩行器なしで歩けるようになりました。

・「顔つきも変わった」と喜んでくださった患者様

日舞の先生をされているモニター様へのインタビュー動画です。

右腰から足の痛み、しびれ(足先、足裏)が主訴でした。

当院独自の特許器具を使った施術初回のビフォーアフターと感想です。「痛みやしびれが改善し、気持ちが良くなった。人相が変わった!来た時よりも美人になった気がする」とのお喜びの声を初回だけでも頂きました。

まとめ:手術だけが選択肢じゃない!健康な背骨を取り戻すための「新しい治し方」

脊柱管狭窄症の辛い症状に悩むあなたへ、この記事でお伝えしたかった重要なポイントをもう一度まとめます。

  • 本当の原因への着目: 脊柱管狭窄症の根本には、加齢だけでなく、長年の「悪い姿勢」が引き起こす「椎間板への負担」が大きく関わっています。
  • 対症療法との違い: マッサージや痛み止めは一時的な緩和には役立ちますが、物理的な狭窄やその原因となる構造変化にはアプローチできません。
  • 姿勢改善とセルフケアの重要性: 正しい姿勢の維持と、やってはいけないことを避けるセルフケアは、症状改善と進行予防の「土台」であり、自分でできる重要な治し方です。
  • 脳内矯正®の可能性: 当院の「脳内矯正®」は、「骨格(深層筋含む)」と「脳(姿勢制御)」の両面からアプローチし、根本原因の改善を目指す、手術に頼らない新しい選択肢です。
  • 諦めないで!: 手術だけが脊柱管狭窄症の治し方ではありません。適切なアプローチを選べば、改善の可能性は十分にあります。

もしあなたが、「どこへ行っても良くならない」 「手術はできるだけ避けたい」 「根本的に症状を改善したい」 「もう一度、痛みなく歩けるようになりたい」と本気で願うなら、ぜひ一度、中村接骨院にご相談ください。

あなたの体の状態を詳しく評価し、なぜ症状が出ているのか、そしてあなたにとって最適な改善プランをご提案させていただきます。

未来の健康のために、今、一歩を踏み出してみませんか?

執筆者情報・当院について

中村接骨院 中村薬 漢方堂 

東京都荒川区西日暮里2-51-1オーベルアーバンツ日暮里1F

電話番号: 03-5811-6337   (平日9:00-19:00)

予約方法電話WEB予約LINEからの予約オンライン診察も対応可能です)

関連情報

◆脳内矯正®についてのプレスリリース

https://prtimes.jp/story/detail/bDzpD3uv5Px

◆脊柱管狭窄症の改善例コラム

https://mbp-japan.com/tokyo/kaokarada/column/5173454

https://mbp-japan.com/tokyo/kaokarada/column/5169962

◆近著『悪い姿勢は天井を見つめて治しなさい』の開発ストーリー

https://prtimes.jp/story/detail/Bq4e3quL2Zb

◆中村弘志のInstagram(ぜひフォローください!)

https://instagram.com/beauty.healthy.kaokarada?r=nametag

◆中村弘志のLINE講座

https://lin.ee/23CZMx0Mc

【執筆者】中村弘志プロフィール

中村弘志 200度開脚

中村接骨院 中村薬 漢方堂の代表。子供のころから武道と気功、整体を習得。妹が脊髄損傷し、「一生、車イスだ」と宣言されたことから、「医者が治せないなら、兄の私が治す」と、それまで勤めていた会社を辞め、気功や整体の知識・技術を生かし、妹の治療に専念。その試行錯誤のなかで独自の治療法を生み出し、妹の症状が歩けるまで改善。(現在、2男2女の母となっている)これを機に柔道整復師の国家資格を取得し、接骨院を開業。オリジナルの体操指導やツボ治療などにより、「姿勢が良くなった」「からだの痛みがなくなった」「肌がきれいになった」など、その効果が評判となっている。治療理論で特許意匠などを20以上取得し、テレビや雑誌などのメディアでも活躍。一般社団法人 国際特許医学協会 代表理事ミスユニバース、ミスアースジャパンといったミスコンでの認定講師も歴任。

免責事項:

当ブログに掲載されている情報は、一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の症状や状態に対する医学的なアドバイス、診断、治療を代替するものではありません。

脊柱管狭窄症をはじめとする個々の症状については、必ず医師、またはその他の資格を有する医療従事者の診断を受け、その指示に従ってください。当ブログの情報に基づいてご自身の判断で医療行為を中断したり、変更したりすることはお控えください。

当ブログで紹介する施術やセルフケアの効果には個人差があります。すべての方に同じ効果を保証するものではありません。

当ブログの情報は、可能な限り正確性を期しておりますが、その内容の完全性、正確性、有用性について保証するものではありません。当ブログの情報を利用した結果生じた、いかなる損害についても、当院は一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

参考文献・参考サイト

日本整形外科学会ウェブサイト『腰部脊柱管狭窄症』

https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_008.pdf

日本脊椎脊髄病学会ウェブサイト『腰部脊柱管狭窄症』

https://ssl.jssr.gr.jp/medical/sick/disease.html#Anchor04

腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021(日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会監修)

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